第2章 組織犯罪の始まり

第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり40

ホールに戻ると部長はすぐに、一人の店員を指さした。「なんかあったらアイツに言え!」そう言ってアイツと呼ばれた店員と少し話しをして、部長は事務所へと消えていった。この店員は全てを聞いていたのであろう…僕を睨んでいる。睨むな…怖い…構わず一般...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり39

知らん顔で打ち続ける。カウンターに立つ部長を確認してからは、一度もソチラを見なかった。完全無視である。何も言っては来ないまま時間が過ぎて行く。少しすると一般打ち子がエラーの解除を頼みに来た。部長に見られるのが嫌だなと思ったが、それどころで...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり38

確認はしたが、全く信じてはいない。ヤクザが約束守るなんて笑わせんなと思った。ましてやケツ持ちが居ない事まで知られている。カードが余れば確実に買い戻しの話しをされる。失敗は出来ないと思った。まあ失敗したら、今度は逃げたろ~とも思っていた。こ...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり37

この時ツルッパも少し離れた所で青くなりながら僕達を見ていた。数的に、自分の不利を知った若い衆は「ちょっと待て」と言って、組に電話を掛けた。 それでも僕はまだ、彼がヤクザだとは気付いていない。「どこ電話すんだよ?」と聞くと「組だ」と言...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり36

方法は先程のファミレスで考えた訳ではない。サンゾクの社長が、僕達が玉抜きに使う列の設定を、一番悪くしていたのを知った頃から考え始めていた。方法や手段など構わず、お金にした方が勝ちだと言う事は、社長が教えてくれた。歯抜けの絡みもあるので、サ...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり35

その後の、この店を、ひと言で言うなら 悲惨 のひと言であろう。ホールの中には、驚く事に20人近くのゴト師がいた。  それらが全員、イッキに玉抜きをするのである。30分もすると床一面はドル箱の山になっていた。当然普通のお客さんもいた。...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり34

ファミレスの席に座るなり、若い部長が怒った顔で言った。「アンタ、うちの店見ただろ? 変造カードなんか打って貰わなくたって充分儲かってんだよ!」ごもっともです…しかし納得してる場合ではない。終わってしまう。勇気を振り絞って言ってみた。 ...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり33

ホール内は、お客さんが増え過ぎて玉抜きを許さない状況になっていた。仕方ない…玉抜きはやめさせよう…余計おかしくなる…僕は打ち子達に、玉抜き中止を伝えた。皆が大人しく普通に打ち始めて2時間程経った。あれ? と思った。店員の雰囲気が、おかしい...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり32

「なんですか!」 凄んでニラまれた。 ムカッと来て、つい言った。 「ジジィ!黙って座ればいんだよ!」 しまった… と思いはしたがもう遅い。 僕の中の何かに火が付いた。 それからは全て脅し口調だったと思う...
第2章 組織犯罪の始まり

組織犯罪の始まり31

小さいながらも池があったのだから豪邸には違い無いだろう。 離婚の慰謝料として貰った家である。家を見た時はタマげた。 なぜゴト師? しかし財産は、この家だけしか持っていない。 なぜか売る事は、かたくなに拒むと言う。 ...