第1章 知らぬ間にゴト師

第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師20

確かに夜7時を過ぎると雰囲気が悪くなるのは感じていた。 婆さんも良夫ちゃんも感じていた。 もっと早く言えば良いのに… 少し考えれば分かった事だなと思った。 僕達が打ち込むと他店からの持ち込みカードの差額が増え過ぎる...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師19

僕のカードの仕入れ値は言わない。 「1200円なら売れるけど、それ以下だと僕の儲けが無いから売れないよ…」 三バカ…  喜んじゃいましたー アホや。 歯抜けが一番上の立場で相談役と言われる55才ぐらいの愛想の...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師18

良夫ちゃんに背中を叩かれた時、自分の判断ミスに気づいた。 ビビりながら聞いた。 「緊急?」 なぜか、呼んでますと言う。 「婆さん?」 「違います」 は? 他に誰が? ま、まさか店員か? ...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師17

だからと言って全てがマヌケな店員やホールばかりでは無い。 ゴト師慣れしたホールはこの時期、すでに結構あった。 変造カードが流行り出して僕達のような、にわかゴト師が大量に出現し始めていた事もあり、ゴト師を見つけても恐怖や驚きや興...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師16

更に儲けてやる… どっちか捕まんないかなと思ったのは愛嬌である。 スネ夫の店で安全に稼げる七万円を確保しても、僕達は危険を顧みず他の店でもゴトを続けた。 スネ夫の店が夕方終わると他の店を廻った。 休みなども...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師15

この後怖い物知らずの二人は、白服が遠くで見ている事を知りながら玉抜きをした。 実行役は良夫ちゃんであった。 当たりを引いていない段階で三万円分の玉抜きをした。 当たっていないのだから、足元に箱が積める筈がないのに、足元に...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師14

常識で考えると、警察だって馬鹿じゃ無いから捕まるだろと思うだろうが一度も捕まっていない。「なんでそんな事するの?」 僕は良夫ちゃんに、そう聞いた。 「張り込む警官はいつも違うから」 そうトンチンカンな答えが返る。 ...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師13

良夫ちゃんの友達が、車を取りに行ってくれている間に、ファミレスで捕まった理由を聞いた。 良夫ちゃんは、よく分からないと言った。 「じゃあなんて店員に言われた」と聞くとトイレから出て来たら一人の店員に「持ってるカードを見せてくれ...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師12

おっかねぇ! 助けられない! 無理だ! 婆さんがかわいそうだ… 店員が出てから5分は起ってる… 外に居れば助けられるかも… 事務所に連れて行かれてたら乗り込む? なんて言う? どうせパチンコ屋は損しねえんだから話せば大丈夫か? 無理だろ~...
第1章 知らぬ間にゴト師

知らぬ間にゴト師11

なので僕が渡した一人十万円もノルマだと思い込んだ。 ノルマなど無い。 使い切れなければ回収するなり翌日使う。 しかしカードを余らせたら、クビになると思った二人は、確変を引いた事を幸いに玉抜きを始めた。 婆さんが玉を...