そのうえ設定6の台を一日中打ったとしても勝つ可能性は100%では無かった。
設定6の台を10日間続けて打てば、それはトータルで100%勝つと断言出来る。
しかし一日だと負ける日もある。
僕はその説明をリュウに聞いた時にやる気を無くしていた。
これはゴトではなく、打ち子の管理が主な仕事だと思ったからである。
打ち子が集まるのかも疑問であった。
僕の中ではパチンコやスロットは運任せのゲームだと思う気持ちが強かった。
設定などそれほど信じていない。
知っているパチンコの設定は、あてにならない事が多かったからである。
無知と言うのは恐ろしい…
「よく分かんないからお前が全部管理しな。危ない部分は誰かにやらすから。打ち子は多分集まるよ。それで純のアガリからいくらか僕にくれたら良いや」
リュウがビックリした顔をして言った。
「え!?良いの…?」
「負ける時もあるんだろ?そんなの打ち子の管理とかめんどくさい」
「いや、負けるって言ったってたまにだよ… ほとんどは勝つよ」
え?
ほとんど勝つの?
「勝つって1台どれぐらい?」
「どれぐらいかはハッキリ言えないけど打ち子と設定飛ばす人に日当払っても、最低、5、6万は残るんじゃ無いかな?」
結構なるな…
まあ良いか…
だるいし…
雪ちゃんにも世話になったし…
「まあこそ泥ホテル王にはピッタリの仕事だな。お前がやれば良いよ。とりあえず右や左の旦那さま〜って言ってみな…」
リュウの目がジト目に変わる。
「その目すんなっての!笑い死ぬ!」
僕はまた少し笑った。
頭の中はどうやれば1番利益があがるかを考えていた。
思いついた事を言った。
「このゴトのキモはどれだけ安く使える打ち子を集めるかだな…」
「そっちに人いっぱい居るじゃない」
僕の手下達の事を言っている。
「いや… あいつらはダメだ。欲タカリ過ぎてあんまり安いとやらないって言う。このゴトはどう考えても打ち子の捕まりが無い。完全な遊びだ。ハーネスの打ち子並に三割なんて払う必要が無い。だから日当1、2万でやる奴を捜す」
リュウが呆れたように言う。
「え〜 安くない?やる奴いる?」
「最初から安い金額で声掛ければいるだろ。一般人で良いんだ。パチスロ狂いの貧乏なガキなんていくらでもいるよ。あいつらは狂ってるからパチスロして1、2万にでもなれば喜ぶ。そのうえ自分が悪事に荷担してると思えば意気がってすぐ集まると思うぞ。意気がってるアホ助は使い倒したら良い。世の中そんなもんだ」
リュウは嫌な物を見る目で僕を見ていた。
構わず言った。
「まあ、全部最初に僕が電波飛ばして試してみてからの話しだぞ」
リュウが大きく頷いた。
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