対策 対応策31

弁護士が一揃いの書類を確認して源次にいくつかの質問をしている。

全ての書類が揃っている事が確認された。

弁護士が言う。

「随分酷い利息と利率ですね。法的に対処すれば払わないで済みますよ」

ダニが驚いた顔で言った。

「なんだ、コイツ!」

「あ〜 弁護士さんです」

僕は弁護士に向かい言った。

「まあ、とりあえず、そう言う話しじゃ無いから… 黙ってて」

ジーパンの両方の、けつポケットからお金を取り出す。

「これ、お金…」

そう言って僕は、裸のままの帯封付きの三つの札束をダニの目の前に置いた。

弁護士が作成した、借金の完済を確認する書類に書き込みをさせる。

その書類を弁護士が確認して、ひとつ頷く。

源次の借金の全てが終わった。

クズどもとの同席が酷くイラつく。

「終わった。帰ろ… それじゃ…」

きちんとした挨拶など面倒臭い。

喧嘩なら、いつでも買ってやろうと思っていた。

二人に先に車に行くように言ってダニ達の方に振り返った。

ダニは、前日とは違う僕の感じに、戸惑っている様に見えた。

ゴキブリに言った。

「5万はやっぱり多いだろ。3万な…」

そう言いながら3万円をゴキブリの目の前に突き出す。

ゴキブリが面白いぐらいにうろたえている。

ダニが言う。

「なんだその金?」

「ゴキブリさんの取り分です。くれってうるせぇから…」

手を出さずに怯んでいるゴキブリの前に、お金を置いた。

僕はゴキブリを見つめながらニヤニヤしていた。

ダニに言うなとは口止めされていない。

口止めしたのは僕である。

だから、僕の都合で変える…

問題なし!

「じゃあ僕急ぐんで…」

ゴキブリにキレているダニを無視してファミレスを後にした。

クズども…

仲良く喧嘩してな…

この後、ダニやゴキブリからの連絡は、全て適当に相手をして、なにかで深く付き合う事は無かった。

その内、二人からの連絡も途絶えた。

いや…

途絶えるように持って行った。

僕はヤクザが更に嫌いに為っていた。

こうして源次の借金は無くなり彼は自由になった。

「真面目に働く?好きにして良いよ。でも新しい道具が入った時とかに聞きたい事があったら聞きに行くよ。そこんとこよろしく!」

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