変造カード工場に聞くと言っても雪ちゃん経由で聞く事になる。
雪ちゃんに電話を掛けた。
「変造カード、受付機に通るかどうか分かった?」
「まだハッキリ分からないアル。通ったって人も居るみたいなの… でも、2、30枚に1枚とか言ってるみたい」
通る!?
マジでか…
可能性はゼロじゃない…
充分だ。
「じゃあ明日、僕の知ってる店でも試して見るよ。カード仕入れられる?」
「えー!? 2、30枚に1枚じゃヤレないでしョ?受付機を通すアルヨ!」
「うん… 少し厳しいね。でも出来る。話しの付いた店だから受付機に通す事は簡単なんだ。どれぐらいの割合で使えるのか知りたい。工場が返品のカードに文句を言わないならだけど。ちょっと工場に聞いてみてよ」
雪ちゃんは少し戸惑い気味に言う。
「他の人達は、もう終わりだって言ってるヨ… みんなガッカリしてる」
ガッカリ?
なんで?
変造カードは受付機を通った…
1枚も通らなかったのならば僕もガッカリする。
無理なのであろう。
しかし数十枚に、1枚とは言え通った。
変造カードの作りによっては出来ると言う事ではないのか?
カード会社は失敗したのではないのか?
喜ぶべき事だと僕は思った。
雪ちゃんと話しても無駄だと思った。
工場の技術者とのやり取りに時間が掛かる。
工場の奴らと直接話す必要を感じた。
しかし彼らは、必ず間に人を入れようとする。
ウザい…
何とかして雪ちゃんをどかす…
閃いた。
「雪ちゃん、もっとカードが売れる様になるかもしれない。聞くかい?」
「エ? うん… 聞く」
「雪ちゃんの所の工場がドコよりも早く使える変造カードを作れたら、お客さんは増えるだろ?他の工場で買ってる奴らは、カードを買う所を簡単に変えると思うよ。だから僕達がカードのデーター取りに協力する。工場と直接話しをさせてくれ」
「エ?データー取り?」
「うん。まだ工場は、2、30枚の内の、どのカードが使えたのか分かってないだろ?僕には話しの付いてる店が三軒ある。工場が知りたいデーターは簡単に取れるはずだよ。欲しい情報があるなら直接聞きたい。工場の人に会える様にセッティングしてよ。上手くドコよりも早くカードが作れたら雪ちゃんの所のカードが使えるって宣伝もするし」
雪ちゃんは戸惑いを深くしていた。
「でも… 工場の人、直接は嫌がるアル…」
トドメに言った。
「雪ちゃん… 僕は悪者か?」
笑いながら雪ちゃんが言う。
「分かった!どうにかするアル!」
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