対策 対応策6

手下達は、僕の言う事を聞いて少し怯んでいる。

確かに全てが僕の想像と空想と願望に過ぎない。

全くマト外れの可能性すらある。

外れならば彼らは、あっさり警察に突き出される可能性が高い。

「言う通りにやれ!絶対助かる!僕は天才だ!!」

シーンとした…

大爆笑になった。

口々に彼らが言う。

「お前は天の災害の天災だろ!」

「めちゃくちゃ言わないで下さいよ!」

「与太ばっかり吹くな!」

「警察、絶対呼ばれますよね!」

皆が笑っていた。

言った自分が恥ずかしい…

僕の陰での、あだ名が、この時よりジニアスになった…

「まあ、好きにしてくれ… 最後は運だよ。ツイてる奴は助かる… それだけのことだ」

運は、引き寄せる物だと言う事は、言えず仕舞いに解散した。

この時、既にスネ夫の統轄する三軒の店での玉抜きを始めて、10日近く経っていた。

婆さんやツルッパやリュウ達なども交ざって、一軒辺り一日180万円程を打ち込んでいる。

最初の頃はスネ夫も怯んでいたが、10日経ってもカード会社が何も言って来ない事で安心した様であった。

それは、ひと月経っても変わらなかった。

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直前まで見知らぬゴト師を生贄に捧げて、カード会社や警察に協力していたせいであろうか。

僕の予測が当たったからであろうか。

それは知らない。

手下達は、スネ夫の店での打ち込みを中心に、あいた時間は偵察した店を廻ってゴトを続けた。

誰一人捕まる事は無く、全てが順調であった。

彼らが捕まらず、大量に変造カードを使う事により、僕に入る金額も跳ね上がって行く。

まさに荒稼ぎであった。

彼らの安全をはかる事が、いつしか僕の利益に繋がって行く様になって行った。

この時期、東京では既に、ギンパラの電波ゴトは業界中に知れ渡り、厳しい様相を見せ始めていた。

少しずつ地方へ遠出する手下達が増えている。

彼らも、東京のカードゴトの状況を知って、変造カードゴトへと戻って行く。

変造カードの使用量は、終末へと向けて加速度的に、その使用量を増やしていたはずである。

カード会社は、対応よりも、受付機設置に、全てを賭けていたのでは無いだろうか。

当然僕も朝から晩まで変造カードを打っていた。

なにも自分で打たないでも、お金は湯水の様に入って来ていた。

それでも僕は、打ち続けた。

変造カードが大好きであった。

僕をどん底から引き上げてくれた魔法のカード…

その陰で泣く人達の事など想像すらしない。

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