レシートを作る場面さえ見れば道具の仕様は分かると思った。
中華ソバが疑い深げに言う。
「うん… でも、どうやってガードするんダ?」
方法を中華ソバに説明した。
「レシートを作る計量機の回りの台を、全部手下で固める。一般人は入り込ませない」
「全部…?何人必要なんだヨ?」
「そんな事はお前に関係ない。周りが全員仲間ならレシート作りは簡単だろ?店員だけ気をつければ良いんだ」
その後、レシートを作る計量機が、見取り図のドコの位置が良いかを僕が言った。
「ここがガードに1番適してる。ここで出来るか?」
広げた見取り図の一点を指差す。
中華ソバは、自分もソコが良いと思っていたと言った。
しかし、自分とピンが最初に店に入り、15分程、仕込みをすると言う。
その間は、ガードは要らないと断られた。
仕込み?
なんだ?
何をする?
電波の受信機を取り付ける?
そう言うのがあるのか?
赤外線などは、聞いた事も無かった。
「その15分は安全なのか?」
中華ソバは無理をしたのであろう。
「安全だヨ」
そう言った。
中華ソバ達と入れ違いに手下5人プラス源次を車の周りに呼んだ。
ガードの指示をする。
中華ソバは、もっと沢山の手下をガードに使うと思っているようだったが、それほど人数は要らない。
ガード自体は5人も居れば充分である。
逆に多いような気もした。
朝のパチンコ屋の開店時は、余程の人気店か人気機種でもなければ、お客さんで溢れる事は無い。
昼の12時を目安に人が増えて行くのである。
更に、朝方のパチンコ台の埋まり方には、一つの特徴がある。
簡単に言うと、見知らぬお客さん同志はくっつくように座る事を微妙に避ける。
一台置きに座る傾向が高いと言う事である。
余程、何か狙い台がある人間が来た場合は別である。
しかしソノ傾向は強い。
ソノ傾向を利用すれば、ガードの人数は5人でも、倍近い台を僕達で占有出来るのではないかと考えた。
手下を一台置きにパチンコ台に座らせる。
そして、間に人を座らせない様な動きをさせる。
そうする事で少ない人数に依ってパチンコ屋の一角を占有する。
その占有した一角の先に在る計量機を選んだ。
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