嘘こけ…
厳しい訳がない…
店側に何が出来るってんだ…
コイツら、ご飯で満足しない気だな…
僕と交渉する積もりか…
欲タカリめ!
そう思った。
しかし店側は、この当時、思わぬ対策をした。
店側は景品を、お客さんに渡す際に、渡した景品数の数を書いた紙も一緒に渡すようにした。
お客さんは、その二つをセットにして換金所に出す。
その紙と景品の数が揃っていないと換金しないと言うのである。
これは単純だが僕達がやったレシートゴトに対しては防犯効果が高い。
手下に持たせた景品には当然、紙が無かった。
換金所に紙無しの景品を渡した手下二人はイキナリ疑われる結果になった。
換金所の人間が電話で呼んだのであろう、店員が二人出て来て、手下二人に話しが聞きたいと言う。
この日連れていた手下二人は馬鹿では無かった。
「10日ぐらい前に両替した景品だよ」
その一言で店員の追求を軽く突っぱねた。
正解である。
この数日で店側が勝手に決めたルールなど知った事では無い。
どの台で出したかなどを色々聞かれたらしいが、二人は全て忘れたで通した。
知らぬ、忘れた、罪は無し…
取り調べを切り抜ける最高の手口である。
しかし、根性無しやアホが使えば、もろ刃のツルギでもある…
こうして、この日の換金は、店側が折れる形で決着した。
この時の店側が取った対策は、この店が最初であったとは思わないが、後に全国に広がる。
お金の掛からない、簡単な対策だったからであろう。
現在でも同じ対策を取っているパチンコ屋は多い。
この対策は、後に起こったゴトも防いだ。
レシートの偽造では無く、景品自体の偽造ゴトである。
お金に換える為にパチンコ屋から受け取る景品は、特殊景品と呼ばれ、店毎に決まった商品を渡される。
それらは多種多様ではあるが、地域によって同じ景品を使っている事が多い。
この景品自体を偽造するのである。
レシートゴトよりも店側の被害は甚大になる。
コメント