手下達を換金に残し、冷し中華達と駅から近いファミレスに入った。
別に何があるわけでも無い。
後は換金したお金と残ったレシートを渡して終わりである。
ツルッパには新しく換金の為だけに呼んだ手下達三人を向かえに行かせた。
ツルッパは、これからゴトが始まると思っている。
随分ノンキな奴ではある。
僕は冷し中華に残ったレシートの金額を言った。
文句は何一つ出ない。
言えば痛い目にあうのは自分だと感じたのであろう。
カタコトで僕をおだてていた。
ひどく馬鹿にされた気分になる。
冷し中華は安っぽい詐欺師の営業マンの様に見えた。
「次やる時は、もっと早く言って来なよ。そうすりゃ安全にもっと抜けるし。そんときゃこっちの取り分はもう少し安くて良いから」
「分かったザンス。その時はお願いしますね」
嘘だな…
頼んで来ない…
そう思った。
この時の僕の勘は当たり、冷し中華が僕に何かを頼んで来る事は二度と無かった。
しかし中華ソバは、事あるごとに、僕に頼むようになって行った。
換金をしている手下から電話が来た。
「あと5人で換金終わるけど、店員が換金所の前に立って見てるぞ」
「両替の時にカウンターに居た店員か?」
「違うな。初めて見る奴だ」
そう手下は言った。
カメラで両替した人間を特定するには、まだ早い筈である。
ただのプレッシャーだな…
「話し掛けられたりしてないなら換金して来て。話し掛けられたりするなら、もう良いから駅の所のファミレスに集合ね」
話し掛けられてはいないので換金が終わった奴からファミレスへ行かせると手下は言った。
やはり店側が換金を止める事は今直ぐには出来ないのであろう。
カメラの録画を見返して両替をした人間を特定する。
その上で換金に来た人間と照合する。
これから閉店の時間まで掛かっても、僕達の特定は無理なような気がする。
この日は新装開店で、閉店間際に、お客さんが換金所に列をなす事は分かっていた。
このまま両替した人間を、閉店まで待たせて換金させるのが、お金も掛からず1番楽ではあったが、安全の為に新たな手下3人を呼んである。
コメント
モバゲーの時から読んでました。1年に1回ほど読み直してたのですが、まさかブログで復活とは!!
楽しく読ませてもらいます。
もっちゃんさんこんにちは。コメントありがとうございます。
再び読んでいただけて幸せです。 これからも宜しくお願いします。