車の外に居る〇国人達は既にレシート交換をこの店で何回かやっていると思った。
それは冷し中華のセリフで間違い無い事が分かった。
既に相当疑われているのかも知れない。
僕達に残りカスをやらせる積もりだと直ぐに気付いた。
でなければ僕達を前フリもなく呼ぶ意味が分からない。
これだけ楽なゴトなら三割も渡せば人は簡単に集まった筈である。
7、8人の〇国人だけで出来ると思っていた所、思いの外、早くバレてレシートが余った…
そして手下を多く抱える僕を思い出した。
僕はナメられていた…
そう言う事であろう。
説明も勿体を付けてしなかった。
僕の予想は大きくハズレてはいないと思った。
問題は、〇国人達が完全に店側に疑われているかいないかである。
いくら両替したのかも聞かなければ為らない。
隠し事をされたのでは捕まる可能性が高い。
状況によっては、本当に引き上げなければ為らない。
しかし〇国人達が、ビビってやめただけで、余り疑われていないのであれば、更に人を集めてまだまだ抜ける。
嘘は脅しとハッタリで止める…
僕が間抜けだと思われたら、僕の周り全てが間抜けだと思われる。
それは安い金額で僕達が捕まる事を意味する。
いつまでもナメられて居る訳には行かない。
冷し中華は答えるか答えないかを迷っているようであった。
面倒臭い…
答えに迷うなら答え易くしてやる…
ワンボックスの扉を開けて何かを言う冷し中華を無視して外に出た。
外にタムロしている〇国人達に僕は声を掛けた。
「おい、お前達の中で誰が最初に疑われたんだ?」
すると一人の男に動揺が走った。
恥ずかしいのであろう。
周りの男達もソノ男を見ている。
ソノ男は、見た目が完全に〇国人に見える。
コイツだ…
見た目でバレやがったな…
冷し中華の方を振り返り、動揺の走った〇国人を指差して言った。
「アイツが見た目でバレたのか?」
冷し中華が慌てて答える。
「そうザンス… でも少し疑われただけよ!」
少し…
嘘だな…
コイツら三割…
僕達が七割…
取れるか…?
「お前、僕達を捕まらせる積もりか?あんまりふざけた事すると、雪ちゃんの仲間とは言え許さないぞ…」
そう笑いながら僕は言った。
喧嘩をしても仕方ない。
僕でも同じ様な事をするであろう。
僕が怒っていない事は冷し中華に伝わった。
「全部話せよ。限界まで店から抜いてやるから」
そう言って僕は、ワンボックスの中に戻った。
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