電波ゴト6

人を育てるのは適当である。

本来、手取り足取り教えて貰う物では無い。

勘違いされて甘えられても困る。

僕がカードを売り付けた相手が、捕まる奴か捕まらない奴かの確認がしたかっただけである。

妄爺の店から引っ張って来ている以上、喋られれば、まっ先に妄爺の店が危ない。

余りにも捕まる可能性が高い奴には、カードを売るのをやめようと思って始めた事である。

決して僕は組織などを意識した訳では無い。

自分や妄爺の店がヤバくならないように動いただけである。

だから下に付いた奴らに、威張り散らしたり、変な命令をした事も一度もない。

何かを頼む時は必ずお金を払った。

その金額が高いか安いかは知らない…

嘘だ。

安かった…

嫌なら来るなと脅かす事はよくあった…

しかしそれらは、あくまでも取引だ…

そう言う事にして措く!

周りの人達から見たら、僕がピラミッドの頂点にいるようには見えなかったと思う。

普通に呼び捨てにされていたし、ジュース買って来て、とか使いっぱしりにされていた…

「金お前出しとけよ」

とかも、よく言われた…

移動の際の車の運転なども僕だった。

人の運転だと、すぐ酔ってしまう…

さらには、常識の無い奴らが多かったので、ダッシュボードに足を乗せ、居眠りしたりするツワモノもいた。

遅刻も普通にされた。

「わるい、わるい」

そう軽く謝られる…

電車が終わりの時間まで遠くにいる事が多かったので、帰るのに家まで送る事もよくあった。

タクシーでは無いのでお金などは取れない。

ガソリン代などに気が回る奴らでは無い。

パチンコ屋でも危ない事をソイツらに先にやらせるとドジったり捕まったりする可能性が上がる。

なので仕方なく僕が先にやる…

安全を確認した後、ソイツらがやる…

皆でご飯を食べに行く事がよくあった。

誰一人お金を払って出て行かない。

食い逃げになるので仕方なく僕が払う…

題名の下の小説概要を少し変えたい…

ゴト師からゴト師の親玉になったと勘違いして使い走りになるまでを書いています… に。

看板に嘘あり!!

お詫びして訂正はしません…

新人君は、ひとりひとり個性があって面白い。

なので初めてホールに入るまでに色々話しをする。

面接の様な物である。

大概が店に行くまでは強気である。

結構多くいた暴走族あがりは使えない奴が多かった。

意気がるばかりで空吹かし。

そう言うイメージが強く記憶に残っている。

蓋を開ければブルンブルン!

上手い事を言ってみた…

その中で、えらく気合いの入った奴がいた。

名前も顔も忘れちゃった…

少年Aにする。

年齢は20才を幾つか越えていたような気がする。

傷害で少年院から大人の刑務所に移る中間の刑務所?を出て来て間もない奴であった。

「自分、怖い物この世にありませんから!!」

分かった…

落ち着けよ…

声でかいし…

「でも捕まったらヤバイだろ。仮釈中だろ?」

そう僕は少年Aに聞いた。

仮釈中とは、前回の刑期を全て刑務所の中で過ごした訳では無く、早めに釈放された事を指す。

残している刑期の間に、警察の厄介になると、確実に刑務所へ連れ戻される事になる。

その際ゴトで捕まっていれば、当然その刑期も加算される。

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